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超時空クラブ 待夢魔心 その1 本能寺
 アタシは帝都大学で西洋史を学ぶ学生で、とはいっても日本史も大好きで、最近で言うところの歴女なのかな。アユミっていいます。最近銀座のクラブで働くことにしたの。なぜかというと、このまま大学に残って研究したかったし、そのためにはお金が必要だから。あんまり割のいいバイトがなくて、どうしようかしらと思ってたときに、大学の門の前でママさんに声をかけられたのね。
 絶対アタシじゃなきゃだめって言うから、詳しく理由を聞くと、「歴史それも戦史に詳しい人じゃないとダメだ」って言うの。「昔はリクルートが大変だったけどね。今はインターネットがあるから、あなたの論文を見させてもらったの。」なんて言われて、ちょっと気をよくして、時給もかなりよかったから、あまり深く考えずにオッケーしちゃいました。
 今日は初出勤日で、ママさんから基本的なお作法を教えてもらって、お店のドレスに着替えたところ。それからもう一人のスタッフのミキちゃんを紹介された。私よりキャピキャピした感じで、まあ感じのいい子だった。今のところお店はこの2人で切り盛りしてるんだって。
 あ、最初のお客様が来店したらしいわ。何だかすごいコスプレの細面のお客様。和服なんだけど、なんていうの、南蛮風のテイストの上着を羽織ってらっしゃる。あんなきれいなビロードみたことない。それにしても凝った衣装だわ。
「こちら、うちの新人です」、とママに紹介されて、銀座のクラブの型どおり名刺交換させていただきました。名刺には、
「従二位右大臣・右近衛大将・尾張守 織田信長」と書いてあった。へえ、名刺まで凝ってるんだ。
 ママが織田さんと軽く世間話をしている間、ミキちゃんがワゴンにワインのビンとデキャンタを載せて現れたの。ビンのラベルを見ると、1898年のビンテージって書いてあってびっくりしちゃったわ。いくらするのかしら。しかもポートワイン。なんて渋い趣味なの、と思っちゃった。ミキちゃんが華麗な手さばきでデキャンタージュをするのを見てさらにビックリ。この娘、なかなかやるわねえ。
 3人で乾杯すると、織田さんが、「ここの南蛮酒はうまいねえ。ルイスが持ってくるのはなんだかすっぱくてさあ」。ルイスって、ルイス・フロイスのこと?う~ん、完全になりきってらっしゃるわ。
 「で、アユミちゃん、最近どう?」
 「ぼちぼちです」
 「いいね、その答え。僕の手下が昔からそういう答えするんだよ」
 「その方って、もしかして秀吉さんですか」
 「よく知ってるねえ~。誰に聞いたの」って、この流れなら豊臣秀吉っていうでしょう。アタシも妙に対抗心燃やしちゃって、
 「柴田さんとか、有名ですよ。あと蘭丸さんとか」


「で、僕の手下の中で一番好きなのはだれなの?」
「明智さんですかねえ」
「なんで」
「なんか頭よさそうじゃないですか。あと、地元では人気があるんですよ。名領主だって」

「ここだけの話さあ。秀吉はその時の軽いノリで取り立てちゃったわけ」
「そう




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