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小説 こころのワクチン
謝辞
村上 剛さんへ捧ぐ
サンタ・クルーズで夢をみせてくれてありがとう.


【線路の夢】
気がつくと、ひかるは真夜中の線路にいた.
複数の線路が目の前に左右に拡がっていた.
ふとみると、線路を前にして学習机が、テレビのコマーシャルにでてくるような、小学生向けの学習机が少なくとも3つ、横並びに並べられていた.自分はその1つに座っていた.
どこかで先生が話をしている.上の空できいている自分.
ノートをとらなきゃ、と思う.
ノートをめくるが、どこもびっしりと書いてあってスペースがない.最後の2枚は漫画の練習につかったらしく勉強とはなんの関係もないイラストで埋め尽くされていた.ああ、こんなことにノートを使うべきじゃなかった、と後悔する.
左隣は空席で、さらにもう1つ左の席に彼女は座っていた.こっちを見てくれない.
気がついてほしい.
どことなく彼女はもの悲しげで、少し気分が悪そうだ.ついていてあげたいな、と思う.
ちぎって渡せる紙はないものかな・・・
さっきのノートはすでに書き込む場所はない.
もう一度目をあげるとすでに彼女の姿は机の前にはない.
どこへいったのだろう?
具合が悪そうだったからトイレにでもいったのだろうか?
探しにいきたいが、今は授業中だ.少し離れて右隣に座っている友人の目も気になる.

ふと気がつくと、ふらりと彼女は線路の上を歩いている.右肩にバッグをさげて.
駅へ戻るのだろうか.授業を早退するほど、具合が悪いのだろうか.
こんな暗い夜に一人でいかせるのは心配だ.
想いがよぎる.しかし、なぜかそのまま着いていくのはためらわれた.
こっそり席を離れて、携帯で彼女に電話しようとする.しかし、携帯の履歴も、アドレス帳もすべて空白になっており、彼女の電話番号を記憶していなかったことに愕然とする.


【形成外科医】

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